口腔外科
粘膜疾患検査や治療・良性腫瘍(できもの)切除
悪性腫瘍との鑑別をしっかり行いながら口内炎、扁平苔癬、白板症などの粘膜疾患や線維腫、乳頭腫、脂肪腫などの腫瘍に対する病理組織検査および治療をおこないます。嚢胞性病変の摘出
病的な袋状のものを嚢胞(のうほう)といいます。歯根嚢胞などの顎骨内にできる嚢胞と粘液嚢胞などの口腔の軟組織に発生する嚢胞があります。摘出を基本としておこない、病理組織検査にて最終診断をおこないます。口腔乾燥症
口腔乾燥症とは、なんらかの原因で唾液の分泌が低下することにより持続的に発症する口の乾きを示す病態です。主な原因には、全身性の病気、神経性の要因、服薬による薬剤性の要因、また加齢などの生理学的要因があります。唾液分泌量の減少により口腔中の細菌や汚れが洗い流されず口腔衛生状況の悪化や歯牙との擦れることによる粘膜炎や疼痛を招きます。治療としましては、唾液分泌量を促進する漢方薬を使用して症状の改善やまた保湿剤にて口腔内を持続的に湿潤させて、口腔粘膜や舌乳頭の萎縮を予防することをおこないます。親知らずの抜歯(智歯抜歯・埋伏歯抜歯)
智歯の傾斜や水平位の半埋伏は、第二大臼歯の後ろの面を不潔にし、放置すると深部にう蝕(むし歯)をつくります。また、智歯のまわりは不潔になりやすく、しばしば炎症をおこします(智歯周囲炎)。このため、このような状態の智歯は通常抜歯の対象となります。下顎管(神経と血管)と近接していることが多く、必要に応じてCT等を用いてしっかりと状況を判断します。その上で、安全第一にて抜歯をおこなっております。
唾石症
唾液腺の中や導管の中に石(唾石)ができることによって生じる病気で、ほとんどは顎下腺に生じます。ものを食べようとしたり、あるいは食べている最中に、唾液腺のある顎の下(顎下部)が腫れて(唾腫 だしゅ)激しい痛み(唾仙痛 だせんつう)がおこり、しばらくすると徐々に症状が消退するのが特徴です。口底部にある唾液の導管内にある唾石は、口の中で切開して唾石のみを摘出します。顎関節症・顎関節脱臼
顎を動かしたときの痛みや関節部の雑音、さらに顎の運動がスムーズでなく、 ひっかかったような異常な運動をする、などの症状がみられる症候群をいいます。消炎鎮痛薬(しょうえんちんつうやく)や筋弛緩薬(きんしかんやく)を主にした薬物療法、噛み合わせの調整、各種のスプリント(コンパクトなマウスピース様のもの) による保存療法が主体におこなっております。筋のマッサージや開口訓練等のリハビリを継続的に行うことも治療法の一つとして指導しています。
外傷
顔面の骨の骨折や意識消失等の有無を精査したのちに、歯や粘膜の外傷に対して、動揺歯牙の固定、歯の再植、根管治療、異物除去、止血や縫合をおこないます。抗生剤や局所の消毒にて感染予防に努めるとともに、術後瘢痕の処置を経過観察の際におこなっております。(骨折を確認できた際は、医療連携先である東京大学医学部附属病院へ紹介させて頂きます。)
2021年12月23日 15:57